理念

化学理工学専攻の理念は、京都大学工学研究科の伝統である「基礎化学に基づく創造的かつ学際的な研究を重視する学風」を堅持しつつも、「化学」という学問が社会から受ける要請の多様化と変化に素早く対応し、環境・エネルギー問題など地球規模の課題や、社会における様々な喫緊の課題に対処できる、高度専門知と学際知をあわせ持つ優秀な研究者・技術者を育成することにあります。

この理念の背景には、ノーベル化学賞受賞者福井謙一博士の師である喜多源逸先生の「応用をやるなら基礎をやれ」という言葉があります。旧化学系6専攻においては、基礎研究を重視してきた歴史があり、その実績として4名のノーベル化学賞受賞者(福井謙一博士、野依良治博士、吉野彰博士、北川進博士)が輩出しています。しかし近年、化学に付託される社会的要請は著しい広がりを見せ、その変化も加速していることから、従来の細分化された教育研究体制から、社会の要請に柔軟かつ臨機応変に対応可能な研究教育体制へと変革すべく、この化学理工学専攻が生まれました。

本専攻が目指す人材像は、専門知の深化、学際知の涵養、国際的視野の獲得を達成した高度専門人材であり、「ディプロマ・ポリシー」では、広がりを見せ変化が加速する化学分野の社会的要請に応え、喫緊の課題に対処するための知的価値の創出に寄与できる能力を有していることを重視しています。

また、「カリキュラム・ポリシー」では、学問体系の体系的教授(トラック)による専門知の深化と、異なる分野の研究者との共同作業(領域・RM)による学際知の涵養の両方を目指した教育を行うことを定めています。これにより、学生は研究能力や倫理観を育て、幅広い視野で新分野を開拓し、国際的に先導できる能力を育成します。大学、研究所、化学産業に留まらず、エネルギー産業、鉄鋼、金属産業、自動車産業、電機産業など、進路が多様化する幅広い分野で活躍できる「学術架橋力」(異なる学術分野をつなぎイノベーションを創出する力)の涵養を目指した教育を進めてまいります。