沿革

化学理工学専攻の歴史は、1897(明治30年)年6月に京都帝国大学が創設され、分科大学の一つとして同年9月に京都帝国大学理工科大学が開校し、翌年9月にそのなかに設置された製造化学科から始まります。その後、1914(大正3年)年7月に、理工科大学は理科大学と工科大学に分離され、この際に工科大学内に工業化学科が設置されました。それ以降、我が国の産業の発展と質的な躍進に対応して、石油化学科、化学工学科、高分子化学科、合成化学科、および分子工学専攻が設立されています。

これら京都大学工学部化学系の教室は、基礎理論から応用,製造にいたる化学に関連するすべての分野を網羅し、基礎を重視すると同時に工業的応用をも目指す独特の学風を形成してきました。そして、卒業生は、学術領域における福井謙一博士、野依良治博士、吉野彰博士、北川進博士のノーベル化学賞受賞はもとより、学術・産業の広い領域で活躍し、今日の日本の科学技術の礎を築いてきました。

しかし、21世紀を迎え、化学に対する要請はますます高度化かつ多様化してきています。このような変化に対応するために、従来の学科にとらわれない幅広い教育とより高度な研究が必要になってきました。これを実現するために、1993年(平成5年)に化学系学科の再編が行われて新たな「工業化学科」として生まれ変わり、さらに大学院も、材料化学専攻、物質エネルギー化学専攻、分子工学専攻、高分子化学専攻、合成・生物化学専攻、化学工学専攻の6つの専攻に再編成されました。なお、学部組織である工業化学科は、基礎化学と工学を連携させて社会の課題に向き合うという学科の理念を継承するとともに、多様化した先端化学領域でのさらなる研究の発展を目指し、2024年(令和6年)より理工化学科に名称を変更しています。

そして、2026年(令和8年)4月に、従来の細分化された教育研究体制から、社会の要請に柔軟かつ臨機応変に対応可能な研究教育体制へとさらなる変革を遂げるべく、この化学理工学専攻が生まれました。本専攻の理念は、これまでの「基礎化学に基づく創造的かつ学際的な研究を重視する学風」を堅持しつつも、「化学」という学問が社会から受ける要請の多様化と変化に素早く対応し、環境・エネルギー問題など地球規模の課題や、社会における様々な喫緊の課題に対処できる、高度専門知と学際知をあわせ持つ優秀な研究者・技術者を育成することにあります。